無用の用
私たちはいつも、仕事を効率よく、ムダのないように
こなすことばかり考えている。
時間をかけずに効率よく、技術や知識を獲得しようと
考え、最小限で最大の効果をもたらす勉強のやり方を
取り入れようとする。
それは、基礎の不安定な、
ペンシルのような細くて高い山を
築き上げようとしているような
ものかもしれない。
中国の故事に「無用の用」というのがある。
有用なものを真に役立たせるために、多くの無用が
必要だということ。
われわれは普段仕事をしていて、いかにムダなことに
時間を費やさないかを考える。
非効率なことはなるべくやらない。
必要なことを、最小限の時間投資で、
最大の成果を上げる。
そのことに力を注ぐ。
しかし、本当に最小限の時間投資で何でも
やってのけようとすると、そこにはあらゆる知識、
技術やノウハウを結集させなければならない。
ときには、いつ出番がくるとも知れない、
ムダな技術や知識を持っている必要も、
あるかもしれない。
そんな、一見ムダとも思えるようなものを、
山ほど持っていることが、
人間を大きく見せたり、信頼感を与えたりする。
必要なものだけを効率よく取り入れようとすると、
基礎はもろくなりやすい。
不安定になりやすいのではないか。
それは、冒頭で書いたようにペンシルのような
細くて高い山を、効率よく積み上げようとしている
ように見える。
山を高くするためには、裾野を広げていくことが、
どうしても必要になる。
つまり、何かを極めようと突きつめていくと、
どうしても効率一辺倒では無理がでてくるのだ。
あるところからは、高く積み上げるために
ムダなこともたくさん学ばなければいけなくなる。
ムダなことに時間をかけて、ムダなことをたくさん学んで、
そうして裾野が広がって、やっとまた上へ積み上げることが
できるようになってくる。
逆にいえば、あれこれといろんなことを学ぶのに
個別に時間を投資しなくても、
ひとつのことを極めていけば、おのずと
いろんなことを学んで裾野が広がっていくもの。
効率一辺倒でムダを切り捨てようとせず、
それは「必要なムダ」なのだと考えて、
たくさんのムダを、楽しんでやろう。
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コメント
初めまして、本当は初めてでは無いのですが・・・。
本日、従業員を集めて(16人)ミーティングを行いました。議題は得意先からのクレームが多発している為・・・。
出来る事なら近道をして同業者を出しぬきたいと考えてしまう。が、しかし、基礎が出来上がっていない上に従業員は現場に行けば¥が貰えると言う考えがどうしても湧いてくるらしい。
結果「おたくの従業員さんはなんにも仕事
しはりませんねー」従業員同士の協調性も無いに等しい状態です。
働き易い職場を目指して福利厚生面も充実しているとは思うのですが・・・。
正直、行き詰まっております。
世の中不景気!派遣切り!などと云われる中、当社は人手不足に悩まされております。
やっぱり基礎から積み上げて行かなければならないと思われますか?
確かに基礎が固まっていれば強味にはなるでしょう、しかし、目の前に「今食べなければいつ食べるの~!」みたいな状態の今からでも欲張らずに先を見据えて基礎固めをした方が良いのでしょうか?
投稿: tonse | 2009年2月28日 (土) 03時41分
> tonseさん
はじめまして。森島です。
コメントありがとうございます!
この難しい時期、日夜、事業の運営に
ご尽力なさっているようで、頭が下がります。
私などよりも、いろんなご苦労を経験
されているものと推察いたします。
私は経営に携わる身ではありませんので
あまり偉そうなことも言えないのですが、
少し思うところを述べさせていただくと。。
ビジネスをまわしていくとき、
その構造が「積み上げ型」になっているか
どうかは重要だと思います。
売上が単発ではなく、継続的に上がるしくみを
構築できているか?あるいは構築しようと
しているかですね。
「積み上げ型」の売上構造にしようとすると、
お客さまからの「信頼」を得ること、それに
よりリピータになってもらうことが必要です。
そのためには、従業員さんにも、
「儲け」志向より「貢献」志向を持って
仕事をしてもらうことが大切ですね。
基礎固めといっても、最も大切なのは、
この「貢献すること」に意識をフォーカス
してもらうことだと思います。
技術・知識などのスキルはあとからでも
ついてきます。
私はこの「貢献」という意識が、仕事で
成果を出すために大切だと考えておりますので、
社内の勉強会などを企画してビジネスの
「マインド」を高めてもらおうと奮闘しています。
投稿: 森島 | 2009年3月 1日 (日) 01時20分